quaメモ

ゲームについてのあんな事やこんな事

久しぶりにドラゴンクエスト6をクリア

5年ぶり?くらいにSFCDQ6をクリア。
私がプレイした最後のDQナンバリングタイトルとなった本作。
同じSFCDQ5と比較しながら良かった点、悪かった点の感想などなど。
 
累計プレイ時間:100時間以上~500時間未満
周回プレイ数:3~4周
習得職業:全メインキャラクターでほぼ完全習得済(悟りの書が敵ドロップのものは未習得)

ストーリーの比較

DQ5

父親の後を継ぎ伝説の武器と世界を救うという勇者探しの旅を続け、母親のいるという魔界を目指し魔王を倒す物語。
主人公はグランバニアの王子。
最終的にはグランバニア王。

DQ6

魔王によって夢と現実世界の2人に分離させられてしまった主人公が自分を探し出し、狭間の世界に住む真の魔王を倒す物語。
主人公はレイドックの王子。

qua的考察

父親と旅をした幼少時代、奴隷として働いた少年時代、花嫁を迎え子供も生まれた青年時代と、移り変わる時代と世代のあるDQ5と比較すると、DQ6の主人公は夢と現実世界とに分離させられてしまったとは言え、本当の自分を取り戻した後は深くストーリーに絡んでくることもないので中盤から後半は影が薄い感じ。
DQ6は主人公が主人公たる意味合いをあまり感じられない?

システムの比較

DQ5

序中盤から主人公の特性でモンスターを仲間にすることができ、人間のパーティメンバーも少ないのでモンスターも大活躍。

DQ6

転職システムで誰でも多彩な呪文や特技を習得可能。
全てのモンスターに攻撃モーションが追加。

qua的考察

レベルアップでのステータス上昇くらいしか能力の上がらないDQ5と比べ、DQ6は転職で呪文や特技を戦略的に伸ばしていけるので育成の楽しみが大幅にアップ。
その反面、ある程度育成してしまうとキャラクター間の性能差が埋まり個性が薄くなってしまう。
DQ6では馬車に乗り込めるメンバーが主要人間キャラクターだけで埋まってしまうことと、仲間に出来るモンスターの総数が減り、能力なども下方修正されてしまっているのでどうしても育成したい場合を除いてモンスターを馬車に配置する必要性が無い。

天空シリーズとしての比較

DQ5

天空の装備と天空城が登場。
天空の装備は天空の血を引く勇者のみが装備可能(主人公の子供)で、主人公は勇者ではなく魔物使い。
天空城の主はマスタードラゴン

DQ6

天空の~という概念が存在しない。
天空の装備と同じデザインの伝説の武器防具が登場。
天空の装備と同じデザインの伝説の武器防具は主人公のみ装備可能。
主人公は他のキャラクターよりもいち早く勇者のジョブに転職できる。
DQ5天空城とほぼ同じデザインのクラウド城が登場。
エンディングでクラウド城が空中に浮くようになる。
エンディングでクラウド城にあった卵からマスタードラゴン?が生まれる。

qua的考察

DQ123はロトシリーズ、DQ456は天空シリーズと言われています。
DS版DQ6デスコッドにて近い未来の~を選ぶとDQ4のキャラクターが出現し、遠い未来の~を選ぶとDQ5のキャラクターが出現する演出が加えられているらしく、あたかも同じ世界を共有しているような印象ですが、私はロトシリーズと異なり物語はそれぞれ独立していてDQ6ではその起源を匂わせるだけで単純にスターシステムが採用されているような感覚を受けました。(SFC版のみプレイ済)
というのも、根本的に456それぞれ大陸が違うので同一の世界線の続きの物語と考えるのは無理があります。
ロトシリーズのように『穴に落ちたらもう1つ新しい大陸があった』というのなら別なのですが。

DQ6のストーリーで解明されない謎

 
などなど、物語の中で明確には語られない点がいくつもあります。

qua的所感

某インタビューにてシナリオ担当者の方曰く、

『当初はそういった(バーバラが竜に変身する)設定があった』
『容量の都合でなくなった』
『想像の余地を残す作りにしている』
『全てを語ると陳腐になってしまう』

というような発言があったというのを目にし、私が思うにDQ6というゲームは、

  1. 物語の全貌は完全に作られていた
  2. それがゲーム化する際に大きく削られた
  3. ゲーム化されたピースから削った部分をプレイヤーの想像で埋めるような手法を取り入れた
  4. ピースを集めても想像できない、もしくは何とでも解釈出来る物語になってしまった

こういった背景があったのではないかと思います。
 
というのも、
削った設定があるとか、容量の都合でなくなったという言葉の裏には調整不足(後述)からも同時に納期の問題を抱えていたというのが予想でき、
それはキャラクター的な部分で言うと、アモスのデザインがモブNPCと同じだったり、中ボスだったムドーのデザインも終盤で使い回されていたり、挙句の果てにはクリア後隠しダンジョンのボスであるダークドレアムのデザインですら雑魚敵の使い回しだったりと顕著で、DQ5から引き継いだモンスターを仲間にするシステムもDQ6ではほとんど機能しているとは言えず、転職システムについてもそれぞれの職で死にスキルも多い上に特定の上級職に転職する為に必要な戦闘回数のバランスもお世辞にも良調整されているとは言えない状態で、ハッキリと言ってしまうとゲームとしての調整があまり上手くいっていない状態で出荷されているように感じられました。
 
以上は私の所感なので、これが正しいかどうかは制作者以外には知り得ないのですが、クリエイターがユーザーに対して投げかけた"ピース"とそれを繋ぎ合わせる"考察"については某有名DQ6考察ブログが詳しく説明していますのでそちらをご覧ください。
こちらの考察ブログは考察として十分以上に納得できる箇所もありますし、そこまで可能性で考察するならもう何でもアリになると思える箇所もありました。
 
私はクリエイターがユーザーに対して考察の余地を与えるというのは、ある種の密室殺人のトリックを紐解くのと同じで、筋道を立てて考えたり消去法を使ったりピースを置いて誘導したりして大勢のプレイヤーがその結論にたどり着くように配慮する必要があると思っていて、DQ6がそういった作りになっていたかと問われたとき残念ながらそれを満たした完成品としてリリースされているとは思えませんでした。
 
DQ6は決して面白くないゲームではないのですが、最初の1周目のゲームをスタートしてクリアするまでの間にユーザーがストーリーに対して深く考察するような機会や時間、必要性がほとんど無かったというのは事実で、多くのプレイヤーが『大魔王を倒して平和になった。エンディングで城が浮かんで卵から何か生まれた。同じシリーズとして関連付けしたのかな。』くらいの感想しか持たずに終わるでしょう。
今作でこのシリーズをプレイするのを止めてしまったので、DQ7からはこのあたりがどうなっているのか私にはわかりませんが、ピースを与えて無い部分は想像で埋めるという手法はDQ1からDQ5までは(DQ6と同じレベルでは)やっていなかったと思うので、従来の方法でユーザーを楽しませるDQに戻っていてくれたらいいなと思います。
 
 
以上。


2021/07/19 追記

ゲームクリアまでに明らかにされていない事一覧
 
天空の装備と同じデザインの伝説の武器防具を主人公しか装備出来ないのは何故か?

物語を通して主人公が主人公である必要性が見当たらない。
エンデの防具のイベントを見せることで今作の伝説の武器であるオルゴーの鎧・スフィーダの盾・セバスの兜・ラミアスの剣は鍛冶屋の名前を冠していることが想像できる。
主人公が上級職1つをマスターするだけで勇者に転職できる特別な人間なのはわかるが、旧作まであった天空の血を引く勇者しか装備不可能といった設定が覆る。
小説版DQ6ではED後のバーバラのお腹には主人公との子供が宿っているといったような設定があるらしく、そうなると伝説の武器(天空装備)を装備できる条件としてDQ6の主人公の血筋かどうかが重要であってバーバラ(天空・ドラゴン)の血統は無関係ということになる。

 
エンディングでクラウド城が空中に浮くのは何故か?

一切不明。
ヘルクラウド城戦で城が飛んで出てくることから、クラウド城も元から飛べる城だった可能性あり。

 
ムドーの城に運んでくれる黄金竜とバーバラの関係性は?

これはバーバラでほぼ確定。
SFC版ではムドー討伐後にバーバラがPTに居る状態でドラゴンが飛んでくるが、DS版でそこが修正されていたということなので船に残ったバーバラが変身しているでほぼ間違いない。
バーバラ自身については、某考察の通りドラゴンから人間に変化した一族の末裔なのか、大魔女の末裔という設定から魔法でドラゴラムしているのか不明。
ただしDQ6のドラゴラムは魔法ではなく特技。
ベッドや絨毯が飛ぶ世界でこの移動手段を用意する意図?

 
ミレーユの肉体と精神は分離したのか?(SFC版ではミレーユだけ混乱に対する完全耐性がある)

肉体と精神に分離したかどうかはわからないが、マーズに助けてもらったと説明があるので何らかの影響はあった。
DS版で耐性が削除された件についてはここを深く掘り下げる必要も無いという判断?

 
現実には存在し夢には存在しない町
夢には存在し現実には存在しない町

夢にだけ存在する町はわかるとして、現実があればそこに住む人達の夢もある筈なので「現実にだけ存在する町」の設定は違和感が残る。
これについて何か考察できるピースが用意されている感じはしない。

 
エンディングで卵から産まれたのは何か?

DQ4DQ5で言うマスタードラゴンが生まれたと想像できるが、この卵については何一つ説明がなくただそこにあるというくらいの物で、バーバラと関係あるのかとか出自も全く語られないので全てが想像の域を出ない。