PS4で2018年に発売したMHWも約3年半が経過し、紆余曲折を経て現在進行形でもマルチプレイが楽しめるゲームです。
MHWはコンセプトとして「次の10年間の土台となる次世代モンスターハンター」として作られている(ディレクターインタビューより)ということらしいので、おそらく次の据え置きモンハンもMHWをベースとした開発が行われていると思います。
少し前にカプコンが流出させてしまった社内情報によると、次回作のMHW6(MHWは5という扱い)の予定は2023年の夏になっていたような情報もありました。
これは携帯機で発売したRISEの売上推移やユーザーからの反響、PC版RISEの動向でも大きく変わってきそうですが、MHWをベースとした次回作が据え置き機で発売されることはほぼ間違いないでしょう。
約3年半遊んだMHWプレイヤーが今までのプレイ経験を振り返って、次回作に取り入れて欲しいこと、取り入れて欲しくないことをつらつらと書いてみます。
MHWとそれ以前のモンハンシリーズを比較して改善されたと思う点
- テンポの悪い動作が減った(回復のガッツポーズ、足を止めて探し物をする等)
今の時代のプレイヤーが遊ぶモンハンとして通用するQoLが部分的にやっと実装がされたと感じています。
これ以外でも「昔からあるからそのままにしている」だとか「無くすのもしのびないから・・・」のような理由で残していると思われる動作やアイテムが相当数あり、残すなら残す意味を与える必要があるのではないでしょうか。
残すべき特別な理由が与えられないのであれば削除すべきですし、どちらも出来ないならばそれはクリエイターの能力不足なのではないかとも思います。
- ショートカットでアイテムが使い易くなった
QoLの部分。
十字キーでパレットを変更するくらいならオプションでショートカットのレイアウトを8方向、16方向、32方向など形を変更出来ると尚良かったと思います。
- 採取用アイテムの常備化
QoLの部分。
前述したように残す意味を与えられないから削除、という感じだったのかなと思います。
- スキルの発動がわかりやすくなった
武器防具に記載のあるスキルが発動する、というそのままのわかりやすい形になりました。
そもそも過去の仕様も「何故そうしているのか?」を開発スタッフも理路整然と答えられないのではないでしょうか・・・
- 救難信号で素早く野良マッチングできるようになった
X Link Kaiの時代とは違い、現在のモンハンプレイヤーはマルチ目的でプレイしている人が大多数だと思うので気軽にマルチプレイ出来る仕組みは多ければ多いほど良いです。
従来の集会所スタイルが良いと思う人もいるかもしれませんが、見ず知らずの他人に「入室した人からZ順に張り付け」のような暗黙のローカルルールを各プレイヤーに強いるプレイスタイルとも言えるので、私は従来の集会所スタイルは「据え置き機のモンハンには不要」だと思っています。
MHWとそれ以前のモンハンシリーズを比較して微妙だと思う点
- 拠点の設計について機能性が欠落している
セリエナでは多少改善されていますが、ワールド時代のアステラは本当にプレイヤーの導線を一切考えず無視した形になっていて「本当にテストプレイをしているのか?」が疑わしいレイアウトでした。
これに限らず、おそらくテストプレイはしているのでしょうが「大変な労力で作ったのだからプレイヤーには使って欲しい」という開発サイドの押し付けがましい制作意欲がゲームの中で随所に伺い知れます。
一刻も早く改善するべき点だと思います。
- ストーリーが完全に空気(毎回だけど今回は特に)
昔からなので伝統芸能と言えなくもないのですが、脚本家が悪いというよりもこの脚本でGOを出す責任者の能力の無さをプレイヤーが痛感するレベルです。
また、任務遂行中に受付嬢やその他のキャラクターがやたらとシステム面について説明口調で話しだすことについても非常に違和感があり(特に受付嬢の「色々なクエストを受けて痕跡を探せ」のような台詞や、アルバトリオン戦のときの調査団リーダーの「奴には火属性が通用しない」というもの)、こんな導線を用意しなければプレイヤーに展開を伝えられないのは幼稚の一言。
受付嬢の「あちこちいってみるんです!探索とか、フリークエストとか!」には本当にたまげました…
- サークルで集まるには集会所の16人定員は狭すぎる
ハード的な制限なのかもしれませんがFPS系のゲームでは30人以上が同時に対戦とか普通にあるので技術的に無理ではないと思います。
特別に「出来ない」理由がないのであれば操作に不具合が出ない範囲で増やして欲しいです。
- ゲーム開始直後に必ずオンライン接続される
何故このような仕様になっているのか甚だ疑問な部分です。
この仕様があるせいで、ソロでしかプレイしない場面でも常にクエスト開始前に他のプレイヤー待ちの待機状態が挟まることとなりクエスト開始が1テンポ遅れ、これをプレイヤーが能動的にオフラインにするためにはゲームを数分放置して自動で切り替わるのを待つしかありません。
キャラ選択時とゲーム進行中に任意でオンラインとオフラインを切り替えられるようにするべきです。
MHWで新規に追加され次回作では不要と思う点
- 痕跡集めという面白味のない作業
簡潔に言うと「そこに面白さがあるのか?」ということを考えて仕様を決定するべきだと思います。
繰り返しを要求するプレイであれば尚のこと。
- ボタンを押し続けるだけの無為な時間が過ぎる蒸気機関スロット
蒸気機関スロットそのものはあっても良いのですが、燃料が上限以上になると消化しないことにはどんどん無駄が発生してしまうシステム上、特にマルチ時に「素材が欲しいけど相手を待たせるわけには・・・」というようなジレンマが発生しプレイのテンポを大きく阻害する要因になっています。
手動で回せば振れ幅のあるアイテムを取得でき、完全オートなら最低限のアイテムが確定、というようにずっと自動で消化される仕様も実装するべきだと思います。
- 労力だけを強いるオタカラ探し
内容もストーリーにも絡んでいるとも思えませんし、端的に言うと「実装工数が少なく水増しできるから入れた」ようにしか感じられませんでした。
不要です。
- 待ち時間だけが長い観察依頼の写真集め
これもオタカラと同じですね。
不要です。
- 上位マムやムフェトのような16人で戦っているかのような雰囲気だけのクエスト
これ自体はあっても無くても構わないのですが、ゲーム中に常に「どの部位破壊が行われているのか」を視覚的にリアルタイムに共有できる仕組みが無いので「チームでクエストを遂行している感覚が全く無い」クエストになっていました。
ちゃんと16人を同時参加させるか、それが出来ないのであればそれなりに共闘している実感をプレイヤーに与える仕組みが必要になると思いますが全くそういうものはありませんでした。
- 猫飯時の食べる動作
これは必要でしょうか?
仮に必要だとしたらおススメ定食、肉定食、魚定食、野菜定食、ハンター定食、その他全ての定食のグラフィックを個別で用意する必要がありますよね。
何を食べても同じ(ほぼ同じ?差がわからない)グラフィックの演出を見せる意図がわかりません。
私の中では現状何を食べても肉定食です。
- 戦闘終了時のポーズのパターンが少なすぎる
討伐後に性別が同じ4人が同じ画面に入って全く同じポーズをして狩り終了、なんてことも珍しくありません。
何故これほどまでにパターンが少ないのか理解に苦しみます。
作る気がないなら毎回仁王立ちだけで問題ありません。
次回作に取り入れて欲しいこと、取り入れて欲しくないこと
- モンスターの攻撃パターンを覚えて遊ぶゲームという根幹を変えないで欲しい
これは変わるとは思っていないのですが、モンハンというゲームはゲーム的な側面でいうと数十種類ある動作のパターンを覚えるゲームで、狩猟的な側面でいうとモンスターの特徴や癖を把握して狩猟するのがハンターなので、狩りを楽しむゲームとしての根源にあるこれだけは変えることなく続けて欲しいなと思っています。
強いていえばモンスター同士で似ている癖はあっても全く同じ癖はほぼありえないと思うので今後の作品ではその亜種や同種以外での「パターンの使い回し」を辞めて全て新しいそのモンスター固有の動作で実装して欲しいです。
- マルチプラットフォームにしないで欲しい
ゲームの盛り上がりとしてマルチプラットフォームの方が良いと思うプレイヤーも多いかもしれませんが、PC版はチートとMODが入り乱れていてそんな中で「オリジナルのゲームだけを楽しめるような厳正な仕組みを作れるのか?」という問題があります。
カプコンの過去の実績からこういった取り組みに対して積極的に投資するとはとても思えないですしその技術も疑わしいと思っているので、そのくらいであれば「不正無しのコンシューマー版、何でもありのPC版」というように分かれていて欲しいです。
モンハンに限らずPC版ゲームの人気はMODで保たれていると言っても過言ではない部分もあるので、そこを根幹から否定するのも厳しい現状です。
PC版で受付嬢を美人にするMODだけ入れてる・・・っていう人が多いとか ゴニョゴニョ
- 集会所は大人数のプレイヤーが一気に集まれる場所にして欲しい
先に述べましたが(カプコンの)技術的に可能であればそうして欲しいです。
16人の枠に収まらずサークルが2部屋に分かれるとか見ていていたたまれないので・・・
- 剣士装備とガンナー装備は同時に持って出発し適宜切り替え可能にして欲しい
賛否あるかと思いますが、アイスボーンではモンスターの生態をよりリアルに見せるためにモンスターが頻繁に飛んだり素早く移動したりする行動が増え、剣士では攻撃が全く届かず立ち尽くすしかない時間が倍増してしまい、それに対してのアクションとしてクラッチクローという対処法が実装されたと私は個人的に思っているのですが、飛んだり瞬間的に遠くに離れるモンスター相手に近接武器しか持たずに出かけるというのも違和感がありますし、
1.従来通りの専門剣士(切れ味消費少ない、一番堅い)
2.従来通りの専門ガンナー(通常矢無限、瓶持ち込み量大)
3.剣士/ガンナー複合タイプ(切れ味消費多い、硬さは中間)
のような剣士とガンナーを逐次切り替え可能なタイプを用意してもいいんじゃないかなと思っています。
- 落とし物はあってもいいけど自動取得にして欲しい
剥ぎ取りやフィールドにある虫や実などを拾うのはプレイヤーが能動的に行うとして、床に落ちている素材や納品物などの落とし物は近くを歩いただけで自動的に取得できるようにするべきでしょう。
現在はこれが相当な足かせになってゲームのテンポが悪くなっていることを疑う余地はありません。(特に導きの地)
- 装備の最大所持数は最低1種類ずつコンプリート可能まで枠を設けて欲しい
たぶんほとんどの人が知らない仕様かと思いますが、武器や防具や護石をそれぞれ1種類ずつ作ろうとすると途中で保管箱の上限に達してしまい全ての装備を集めることが出来ません。
武器防具の所持数の最大値は、最低でも全武器防具の種類分用意して欲しいです。
- スタッフロールを含めた全ムービーやイベントのカット機能を追加して欲しい
先にも書きましたが正に
>>大変な労力で作ったのだからプレイヤーには使って欲しい
>>押し付けがましい制作意欲
これを感じる箇所です。
- 狩猟以外のゲーム要素はプレイしていて楽しいかどうか吟味してから実装して欲しい
辛辣な書き方になりますが「当たり前のことが出来ていない」と感じています。
- ソロよりもマルチを主眼とした調整をして欲しい
村クエに相当する部分が無くなった(任務は途中から救難を呼ぶことが出来る)今、モンハンを完全ソロで楽しみたいプレイヤーはどの程度いるのでしょうか?
私は初回プレイ以外でソロを楽しむプレイヤーは極々少数だと思っています。
特に開発側は武器間の性能を「ソロ討伐RTA」を参考にしているような節もあり、ソロとマルチでは行動や性能を大きく制限される武器もあるのでソロに重きを置く考え方は全く見当はずれなのではないかと思えてなりません。
- 運搬・納品クエストは(今まで通りなら)廃止して欲しい
これも前述した
>>残すなら残す意味を与える必要
と、
>>楽しいかどうか吟味してから実装して
という点です。
- DPSチェック・条件付き与ダメチェック・即死技発動モンスターは廃止して欲しい
率直に言って楽しいかどうか、という点です。
極ベヒーモスが楽しいというプレイヤーもいますが大半が「太刀か弓を使っているプレイヤー」で、理由としては1発が大きいモンスターなので見切れる太刀と素早く位置調整できる弓は他の武器種と比較して遥かに狩るのが容易だからです。
個人的には「他作品のモンスターが一番楽しいとか本物のハンターなのかな?」と思わずにはいられません。
即死技は直前に吹き飛ばされていたり起き上がりが遅れると回避が不可能になることもしばしばあり、そうなるとただただ脱力感しか残らないので「ド根性の発動や高DEF高HPでガードすればミリ助かる」というような変更ではダメなのでしょうか。
障害物の影に隠れる系の即死も、味方からのFFがある仕様上簡単に悪意が向けられるということもあいまってこれらを継続してモンハンに導入するべきものだとは思えません。
該当するクエストへの参加可能なHRやMRの下限が低すぎるというのも問題に拍車を掛けています。
- クラッチ傷付けを導入するなら動作変更や格差を是正して欲しい
これについてあまり深く語っても仕方がないので、例えばクラッチで張り付いたあとの動作として、
〇で素早く離れる半傷付け
△でノーマルの傷付け
□でスリンガーを落とす行動
×でモンスターからすぐ離れる
といったような感じにすることは可能だったのではないかなと思います。
武器ごとに性質に格差を設けたり、発動までの時間差があったりとそういう差別化が必要だとは思えません。
- ダウン前に受け身を取れるようにして欲しい
ゲームのテンポを改善する一貫として。
スタミナ70消費くらいで実装してもバランスが取れるのではないでしょうか。
- デイリー、ウィークリー、マンスリーと分け価値あるアイテムを報酬にして欲しい
プレイヤーに継続したプレイを促すために消費アイテムを多めに配布したりTier単位で報酬を分けるのもプレイのモチベーションに繋がります。
- 初心者救済として素材変換のポイント化を実装して欲しい
リオレウスは倒せるけどクシャルダオラは倒せない、といった初心者プレイヤーがいるとして現行仕様では「クシャルダオラの風圧を抑制するためにクシャルダオラの防具一式が必要」というチグハグな討伐順序があり、そういった場合を想定して素材をポイント単位で別素材へと交換できるシステムを実装し、例えば「リオレウスの鱗20枚分のポイントでクシャルダオラの鱗1枚分と交換」といったような救済措置があればリオレウスを数多く討伐してクシャルダオラの防具を作り挑める、という解決策が生まれます。
こういった仕組みが無いので今の初心者の多くは「倒せないならマルチで誰かに倒してもらう」という安易な解決策を選択しているのではないでしょうか。
ハンターがハンターになるべく自立支援の一環として。
- 武器の属性や会心率に可変値を導入して欲しい
これは相当賛否ありそうですが、端的に言うとおかしなエンドコンテンツを導入されるよりかは生産武器の属性や会心率などの値を生産ごとにある程度ランダムで生成されるようにして欲しいです。
例えば大剣のブラックミラブレイドであれば、
攻撃 :1488
会心 :-40%
龍属性:120
この値について、生産時には
攻撃 :1488
会心 :(-20%~-60%)
龍属性:(80~160)
のようにカッコの箇所については可変の幅を持たせることによってゲーム終盤ではいくら討伐しても売るだけしかなくなる素材を消費し自分が普段よく使用する武器の厳選を自分の指定する武器でできるようになります。
1度生産した後は1発生産と同じ素材か生産に必要な天鱗などの素材だけで可変値ガチャを行い、気に入らない場合は元の値を保持できるくらいがプレイヤー的には安心してプレイできそうです。
- モンハン語以外の吹き替えは不要
何故今作から変えてしまったのか頭を抱えるばかりです。
モンスターに体当たりされても燃やされても踏みつけられても高所から落下しても平気なのは「モンハン語を話すモンハン世界の住人」だからであって日本語を流暢に話すハンターではありません。
字幕だけで十分だったのにそれを覆してまで吹き替えを入れる必要があったのでしょうか。
イベント追加する度に世界各国の言語での吹き替え収録が発生し、制作側にも無用な手間とコストが発生しているはずですし、これは私の中では「守るべき世界観であり伝統」だという認識です。
まとめ
最終的には何をやっても賛否が出るとは思いますが、私が見てきた感じモンハンシリーズのファンは「良い部分については声高らかに良いと言うが、悪い部分については完全に見て見ぬフリをする」プレイヤーが多く、俗に言う信者っていう感じ?のプレイヤーが大半でこりゃ良くならないわ!っていうことを何度も感じました。
TwitterやYoutubeをチェックしていると特にそう感じます。
開発もそれを真に受けているのか、或いはゲームの悪い部分を根本的に解決するやる気がないのか、ゲーム開発の取っ掛かりの要件定義の時点であまり煮詰めずゲームの完成形を決めつけていると、プレイしていてそう思える部分が多々あります。
今後どうなるのかは誰にもわかりませんが、このシリーズは良くも悪くもカプコンの売上の柱になっているので会社が傾かない程度に挑戦していく作品に仕上げて欲しいです。