個別の武器ガイドは以下のエントリーがあります。
大剣 --- ランス --- 狩猟笛 --- ガンランス --- チャージアックス
MHWIにて武器使用率が断トツでワーストの狩猟笛について、既に使っている人も1度も使っていない人も何となく使っている人も知っておきたい情報などを備忘的にまとめ。
(日記用エントリーの付録で書いた内容を分離しました)
本当のところ狩猟笛ってどうなの?
そんなこんなで、ここからは私がMR100まで狩猟笛を本格的に使っていて思った事などを。
注1:あくまでも私の個人的な見解です。
注2:野良マルチを主眼とした内容です。
Q.狩猟笛の旋律って有用なの?
A.モンスターハンターというゲームは突き詰めると可能な限り与ダメを増やして短時間で討伐するというのがセオリーになりますが、特に初心者や中級者のプレイヤーのように根本的に攻撃する手数が足りていない場合は単純に火力を上げる事よりも相対するモンスターに対して有用な対策を講じる事が討伐成功に直結するのは言うまでもありません。(ステータス的に火力が増えても殴れないので与ダメが増えない、または討伐前に全滅するので与ダメを増やしても意味が無い)
これについて、狩猟笛が特に効果を発揮する場面がいくつかあり、
- 咆哮からの追撃が確定もしくは回避し辛いモンスター相手に対して聴覚保護
- 風圧怯みが生死に直結するモンスター相手に対して風圧無効
- 状態異常が生死に直結するモンスター相手に対して状態異常無効
このような旋律でサポートする事ができるので、チームへの貢献度は大きいでしょう。
Q.狩猟笛の操作は簡単なの?
A.演奏開始から演奏終了まではそれなりの隙を晒し棒立ちになるので、戦闘中に演奏するには目的の旋律を揃えつつ相手モンスターの動きを熟知して動作の合間合間に演奏を差し込んでいく操作技術が求められます。
その一方で、マムタロトなどの頻繁にエリアを移動する事が確約されているモンスター相手は戦闘前に1度演奏しておけば戦っている最中は旋律が維持できる事が多いので、狩猟笛特有の操作難易度がある程度解消されます。
狩猟笛はガードもカウンター技も存在しない武器種のため必然的にフレーム回避する技能が求められ、対面するモンスターによってはフレーム回避ありきの戦術を取らざるを得ない場面も多々あります。
これは狩猟笛の攻撃モーションが比較的長い事も相まって少しの判断ミスから回避が絶対に間に合わない状況に陥る事も少なく無く、この点に関しては特に操作難易度が高いと感じる人も多いでしょう。
Q.狩猟笛の旋律を維持するのは大変なの?
A.結論から言ってしまうと、どの狩猟笛でもその用途に合わせて戦闘で必要な音色は自分強化を含めて2~3つしか無く、それ以外の旋律を使用するかどうかは極々限られた状況になると思います。(極端に防御力や属性防御の低いプレイヤーがいる、操作スキルの観点から要介護のプレイヤーがいるなど)
2~3つしか維持するべき旋律が無いというのは逆説的に有効な旋律を持つ狩猟笛が無い・性能的にほぼ死んでいる旋律が多いという事も意味しているのですが…
私が考える有用な使いどころが限定される旋律は以下の通り。
完全に衝撃波発生用の旋律
- 体力UP(全般)
- 体力回復(全般)
- 体力回復&解毒
- 導蟲追跡力強化
- 特殊装具消費軽減
最初期しか使われない、または完全上位互換旋律が存在
- 麻痺無効
- 気絶無効
有用なモンスターが少数で使用は限定的
- 地形ダメージ無効
- 泥軽減&水場・深雪適応
- 高周波
- 響周波【龍】
- 聴覚保護【小】
これらの旋律についてはエンドコンテンツになる程使用機会がほぼありません。
メインとなる狩猟笛の旋律は大まかに以下のパターンで分けられます。
攻撃力UP【大】が欲しい場合
音色 | 代表的な狩猟笛 | 必要な旋律 |
---|---|---|
■■■ | スフォルツァンドⅢ 氷琴アイスフィール 業奏グレイプニール |
自分強化 攻撃力UP【大】 (風圧無効) |
■■■ | 轟鼓【虎鐘】 マッドボーンホルンⅢ |
自分強化 攻撃力UP【大】 (水場・深雪適応) |
■■■ | 吼鼓【鬼咬】 斬竜笛イブレス 爆炎鼓バゼルバルディ |
自分強化 攻撃力UP【大】 (体力継続回復) |
■■■ | 硫斬笛パラドーラ ミラメノスアギカ |
自分強化 攻撃力UP【大】 (全旋律効果延長) |
ソロプレイ、またはさしたる対策無しでも十分討伐可能なメンバーが揃っている場合に。
攻撃力UPを維持するというのは例えば
・大剣:火力1000
・太刀:火力1000
・双剣:火力1000
・笛 :火力 500
こういった与ダメージがある場合に攻撃力UP特大があるとすると
・大剣:火力1000 (+200)
・太刀:火力1000 (+200)
・双剣:火力1000 (+200)
・笛 :火力 500 (+100)
単純に倍率を数値にするとこのような増加になりますが、これのそれぞれの武器種による与ダメージの増加分は事実上攻撃力UPによって狩猟笛が出したものとして見る事が出来るので実際には
・大剣:火力1000 (+0)
・太刀:火力1000 (+0)
・双剣:火力1000 (+0)
・笛 :火力 500 (+100)(+200)(+200)(+200)
このような結果となるので、仮に狩猟笛が他武器の半分しかダメージが出ていないと仮定した場合でも他武器よりも結果的に与ダメージを担保していると考えることが出来ます。
(狩猟笛は自己強化の重ね掛けで更にこれ以外のダメージ増がある)
狩猟笛と言えば攻撃力UPの有無が重要というようなイメージがあるかもしれませんが、攻撃力UPというのは自分は勿論のこと自分以外の3人がどの程度与ダメージに関与出来るのかがその価値に大きく関与している事と、野良マルチに限った話で言うと例え火力を増やそうと討伐前に3乙が決まるとそこまでに何をしていても狩猟が失敗してしまうので、結果的に討伐が危うい人やMRが低い人のサポートに入るケースでは攻撃力UP旋律を持つ狩猟笛の優先度は圧倒的に低く、消去法で一番最後になると思います。
(下手なプレイヤーが火力全振りのカブカカブを装備しても意味が無いのと同じ理屈)
逆に言うと「プレイヤー全員がまともに動ける場合はこれ以外の選択肢が無い」とも言えます。
なお、紫赤橙(■■■)旋律にある全旋律効果延長は野良マルチで複数人狩猟笛がいる場合は使用する余地があるものの、狩猟笛が自分しかいない場合は笛吹き名人2がある状態でも全旋律が残り秒数に加えて最大でも40秒程度しか延長されないので、この旋律は複数人笛が居る場合かつ自分1人で旋律維持するような場合以外はほぼ死にスキルです。(普通にそれぞれの旋律を重ね掛けした方が楽な上に討伐までの総演奏回数が少なくなる)
聴覚保護【大】が欲しい場合
音色 | 代表的な狩猟笛 | 必要な旋律 |
---|---|---|
■■■ | シャミセン【狼】 寂滅の一節【魂】 |
自分強化 聴覚保護【大】 会心率UP |
■■■ | 防衛隊支援型太鼓Ⅴ ダチュラマエストロⅡ |
自分強化 聴覚保護【大】 自分強化【速】&回避性能UP |
スキルで補うには重すぎる聴覚保護があることによって生存力や火力が担保できる場合に。
モンスターが強くなるほど聴覚保護【大】が無ければ防げない咆哮ばかりになるので実質エンドコンテンツでは聴覚保護【小】は無いも同じ扱い。
怒り状態移行時に咆哮しないモンスターは少なく、この合間に演奏を差し込むことが出来るようになるので狩猟笛本人にとっても有用。
とは言え過去作と比較して
- 咆哮で身動き不可能 ⇒ 固まっている最中に高ダメージ攻撃
というような確定コンボは大幅に減少しているので有用なシーンは激減した。
聴覚保護:ネルギガンテ系、リオレウス系、リオレイア系
狩猟笛ソロでストーリーを進めた場合、紫緑黄(■■■)旋律のネルギガンテ笛は作成素材に調査の金枠・銀枠や尻尾(要切断)を必要とするのと、ガルルガ笛は完成が任務クエ終了後の導きの地の地帯レベル上げが必須となるので作成難易度が少し高い。(現時点ではイベントクエでもMR24から消化可能)
風圧無効または風圧完全無効が欲しい場合
音色 | 代表的な狩猟笛 | 必要な旋律 |
---|---|---|
■■■ | ゴルトリコーダー 女王笛ランゴスタⅡ世 皇金の龍笛・麻痺 |
自分強化 風圧完全無効 (氷属性防御強化【大】) (高周波) |
■■■ | 極楽浄土-華厳- 電電太鼓【雷轟】 |
自分強化 風圧完全無効 攻撃力&防御力UP【小】 |
■■■ | 夜笛【逢魔】 ディオスホルンⅡ |
自分強化 風圧無効 (スタミナ消費軽減【長】) |
■■■ | リルン=グレイシア 蛮顎竜ノ鼻唄Ⅱ |
自分強化 風圧無効 (防御力UP【大】) |
生死に直結しなくても風圧対策を行うことで劇的に討伐が楽になることは案外多い。
風圧完全無効:クシャルダオラ
風圧無効:ミラボレアス、ナナテスカトリ
紫青黄(■■■)旋律については風圧完全無効と高周波を演奏可能なことを踏まえると、実質クシャルダオラとディアブロス専用武器。
属性防御や属性やられ対策が欲しい場合
音色 | 代表的な狩猟笛 | 必要な旋律 |
---|---|---|
■■■ | アイシクルホルン グィラキエース |
自分強化 攻撃力UP【小】 (火属性防御強化【大】) |
■■■ | 龍封じの古笛Ⅱ | 自分強化 振動無効 (麻痺無効) (水属性防御強化【大】) (龍属性防御強化【大】) |
■■■ | 幻雷ノ魔笛 皇金の龍笛・幻 |
自分強化 精霊王の加護 (雷属性防御強化【大】) |
属性防御を底上げする旋律を持つ狩猟笛。
正直この旋律を維持しないと勝てないようでは属性以前にスキル構成や操作技術に問題がある場合が大半で、あえて持っていく必要性は薄い。
全属性やられ無効が欲しい場合
■■■ | ヒュドロスホルン 煌黒琴アルリゼ |
自分強化 全属性やられ無効 聴覚保護【小】&風圧無効 (全属性耐性値UP) |
万能に見えて中途半端な旋律。
というのも自分の属性やられは装備や装飾品で簡単に補えるということと、野良マルチでの味方が属性やられになるかどうかはプレイの中で相手の状態を目視確認したりわざわざ装備を開かないと判断できず、この旋律ありきでの立ち回りを必要とする味方がいる場合は立ち回り以前の問題の場合が大半だというのが実情。
全状態異常無効が欲しい場合
音色 | 代表的な狩猟笛 | 必要な旋律 |
---|---|---|
■■■ | ニュクスバローネⅡ テスカ・デル・ムシカ 砕光の陽鈴 |
自分強化 全状態異常無効 精霊王の加護 (状態異常攻撃力UP) |
MHW中盤から作成可能なテオ笛を筆頭にMHWIからは睡眠のバローネ、物理とスロット汎用性の陽鈴で使い分け。
全状態異常無効は毒、麻痺、睡眠、気絶、爆破、瘴気、裂傷、ゾンビの状態異常を防ぐ。
トビカガチ亜種、プケプケ亜種、キリン、ブラキディオス、ヴァルハザクなどで特に活躍する。
Q.狩猟笛ってダメージは出るの?
A.自己強化旋律のみの演奏でも響音攻撃を挟み込めるならモンスターのダウン時や麻痺拘束時には特定の高威力フィニッシングムーブの無い武器種(ガンナー3種・ランス)よりはこの点に於いてはダメージ出力が見込めます。
それ以外の武器種での比較なら例えば、
- 大剣:溜め斬り→タックル→真溜め斬り
- 太刀:気刃斬りⅠ→Ⅱ→Ⅲ→気刃大回転斬り→気刃突き→気刃兜割
などを行う時間で狩猟笛は
- 狩猟笛:右ぶん回し→響音攻撃→柄→響音攻撃→柄→響音攻撃
というような響音攻撃を3セット程度差し込む事が出来るので、スタン値の蓄積も同時に行える事を考えるとまずまずのダメージ出力と考えて良いでしょう。
技 | モーション値 | 合計 |
---|---|---|
大剣:真溜め斬り | 22+211 | 233(286) |
太刀:気刃兜割 | 25×7 | 175(210) |
狩猟笛:響音攻撃 | 10+(17×4) | 78(90/93/108) |
コンボ | モーション値 | 合計 |
溜め斬り→タックル→真溜め斬り | (110)+(26)+(22+211) | 369(422) |
気刃斬りⅠ→Ⅱ→Ⅲ→ 気刃大回転斬り→気刃突き→気刃兜割 |
(26)+(30)+(14+19+34)+(38)+(26)+(25×7) | 362(434) |
右ぶん回し→ 響音攻撃→柄→響音攻撃→柄→響音攻撃 |
(27)+(10+(17×4))+(10)+(10+(17×4))+(10)+(10+(17×4)) | 281(323/337/388) |
※注:合計の数値はモーション値に倍率を加味した目安の値です
大剣のカッコ内は強撃の場合
太刀のカッコ内は全て赤ゲージの場合
狩猟笛のカッコ内は自分強化2/攻撃力UP大2/自分強化2+攻撃力UP大2の場合
Q.響音攻撃と演奏攻撃ではどちらがダメージが出るの?
A.叩き込める猶予や旋律が揃っているかどうかの状況次第で大きく変わってくるので単純比較することが出来ません。
響音攻撃
Pros:
- 短い時間に同じ場所に集中してダメージが出る
- 定点攻撃なので頭部に対してスタン値を貯めやすい
Cons:
- ストックできる旋律が響音派生の旋律に限定される
- 消費する切れ味に対してはダメージが少ない
演奏攻撃
Pros:
- 演奏と攻撃を同時に行える
- 衝撃波は通常攻撃と比較してスタン値が高い
Cons:
- 重ね掛けを含めた演奏はモーション完了まで時間が長い
- 衝撃波部分のダメージに対して基礎ステータス以外が乗らない
技名 | モーション値 | 合計 |
---|---|---|
響音攻撃 | 10+(17×4) | 78 |
演奏(N) | 29+(27) | 56 |
演奏(前方) | 29+(27) | 56 |
演奏(側方) | 29+(27) | 56 |
演奏(後方) | 29+(27) | 56 |
演奏(N)重ね掛け | 35+(27)+35+(27) | 124 |
演奏(前方)重ね掛け | 35+(27)+28+28+(27) | 145 |
演奏(側方)重ね掛け | 35+(27)+35+(27) | 124 |
演奏(後方)重ね掛け | 35+(27)+35+(27)+29+(27) | 180 |
モンスター大ダウン時のコンボ例
(響音攻撃派生旋律を絡め衝撃波を込めて演奏する場合)
コンボ | モーション値 | 合計 |
---|---|---|
①叩きつけ ②響音攻撃 ③柄攻撃 ④演奏(前方) ⑤響周波【打】 ⑥演奏(後方)重ね掛け ⑦響周波【打】 |
①14+39 ②10+(17×4) ③10 ④29+(27) ⑤50 ⑥35+(27)+35+(27)+29+(27) ⑦50 |
477 |
Q.狩猟笛の立ち回りで知っておくことはあるの?
A.個人で作成している狩猟笛ユーザーのHow To的な動画や情報サイトを調べてみてもハッキリと明言されてないことがいくつかありました。
- 達人芸か真・業物を付けなければ響音を使用するごとに凄まじい早さで切味が減っていく
- 操作にレバーニュートラルを意識した立ち回りを要求される
- 怒りや咆哮タイミングを把握しておかないと演奏が中断される
- 重ね掛け最速横演奏は自分強化か響音派生の演奏スタートでなければ出せない
- 演奏時の衝撃波を絡めたダメージ出力を考えるなら通常演奏でモンスターに背面を向け、重ね掛けで後方演奏しモンスターにめり込むように演奏する
- 乗りから乗りダウン成功時にダウンしたモンスターから離れて着地する間にクラッチできる
まとめ
決して使っていて楽しくない武器ではないのですが、プレイヤーに対して魅力を訴求しきれていない武器という使用感です。
これは武器使用率が万年ほぼ最下位(付近…ランスと争っている状態)ということからもわかる通りで、今作で響音への派生が追加されたとは言え操作の根本的な部分は過去作から大きく変化が無く旋律の有用性を理解していてもその操作を行うことの楽しさを見出せないプレイヤーが多いといった印象で、実際問題としてマルチプレイで他メンバーが既に戦っているのに自分だけエリア外で旋律を揃える…というような動作はゲームとしてもテンポが悪くプレイヤーに「演奏する義務感」を押し付けているような感覚を与えているように思います。
また、狩猟笛を使用して野良マルチで "狩猟笛" としてのそれなりの立ち回りをするためにはソロプレイでどのモンスター相手でも易々と討伐可能な技量が求められ、例えば太刀なら2~3回戦えばすんなり倒せるようなモンスターでも狩猟笛はその5倍以上はチャレンジしないと同じ域に到達することは不可能だと思えるくらい習熟が難しいです。(このあたりも如実に武器使用率に反映されている)
これらのこともあり「狩猟笛で戦ってはいるがまともに演奏出来ていない狩猟笛プレイヤー」を結構見かける(特にアルバトリオンに皇金を持ち込む狩猟笛プレイヤーに多い)有り様で、狩猟笛の使用率というのはそれらも含めた使用率なのだと思うと惨憺たる状態と言っても過言では無い状況です。
最新作のRISEで狩猟笛の操作がどのようになっているのかは詳しくはわかりませんが、個人的には、
- 旋律が揃った時点で自分と近くの味方に効果付与(通常旋律効果)
- 演奏した場合は一定範囲内全員に効果付与(演奏効果)
- 戦闘で有用な旋律を増やす
- 使いやすい攻撃モーションを増やす
- 体力回復旋律を廃止し演奏時は一律少量の体力回復を発生
などなど、このくらい改善されないと武器使用率の改善は見込めないのではないかと感じています。
本稿を読んで狩猟笛に興味が出てきた方は、マルチで担いでみてください。