League of Legendsでは試合内容がリプレイファイルとして残りそのリプレイを動画として保存出来る機能があるので、当時何を考えてゲームをしていたかを後から振り返ることを目的にいくつか動画をアップしています。
まえがき
これはLeague of Legendsに限らないのですが、不特定多数の人種も判らない画面の向こうの相手と同じチームを組んでゲームをするときに「どうしたら自分が楽しめるのか」という部分を真っ先に考えるのではなく「チームに貢献するには何をするべきなのか」という思考が無ければゲームそのものの上達も無ければゲームでの勝敗も得る事は出来ないと考えています。
League of LegendsのARAMというゲームはそういったゲームの中でも
- 不特定多数の5vs5
- MAPは1本道のわかり易い構図
- 使用キャラクターが完全ランダム
という、単純明快かつ自分の得意分野だけで勝負することが不可能な仕様になっているので余計に先に述べたプレイヤーの思考力が試される内容になっています。
今回の試合
シーズン11.2
使用しているチャンピオンはルルです。
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これ以降の流れはリプレイから振り返っている内容を書いているのではなく、ゲーム中にリアルタイムで実際に何を考えていたのかを記述しています。
試合前の構成を考える
敵味方の構成はゲーム開始前にわかるので、その瞬間からゲーム中に必要な行動や装備について考えます。
自陣営
- グレイブス(短射程マークスマン)
- ラックス(長射程メイジ)
- フィズ(近接APファイター)
- ヴェイン(短射程マークスマン)
- ルル(バッファー)
敵陣営
- トゥイッチ(長射程マークスマン)
- ガレン(近接ADファイター)
- ナー(長射程ファイター)
- ザヤ(長射程マークスマン)
- アッシュ(長射程マークスマン)
キャラクター毎のメジャーなビルドが赤字が物理攻撃で青字が魔法攻撃です。
この時点で一目見てわかるように、敵陣営は物理攻撃一辺倒になると予想出来るので自陣営は物理防御があがる防具だけあれば良いという判断になります。
(トゥイッチやアッシュの経過アイテムは注目する必要はある)
試合前の考察
①
まず最初に、相手の方が射程が長いキャラが多いので装備が揃っていない序盤はミニオンを処理が遅れ味方がタワーに押し込まれることが用意に想像が付きます。
よって、どの試合でもそうなのですが今回は特にLv6前に不用意に体力を減らさないことが重要です。
②
次に、相手チームはパッと見でフルAD(物理ダメージ構成)なので、途中からアッシュやトゥイッチの装備を確認してフルAD構成なのかどうかを判断して武器や防具を購入する必要性があります。
③
ARAMではゲームを通して5vs5の集団戦が発生する都合上、相手チームのマークスマン3人はどう考えても過剰(複数人から狙われるので即死しやすい)で、本来ならばプールされた枠やリロールを使いサポートやバッファーを補填するべきですがその程度の判断力が無いプレイヤーがこの3人のマークスマンに混ざっていると予想出来ます。
こういったチームの構成を考慮する意識の無いプレイヤーは大抵は操作しているチャンピオンを使いこなせないプレイヤーが多く、カイトも出来なければ装備もちぐはぐなものを買ってくる機能不全のプレイヤーが大半です。
(このARAMはシルバー上位帯~ゴールド中位帯ですが、このくらいのランクだとそういったプレイヤーが山ほど存在します)
これは最初に述べたように、構成を良くして試合に勝つことよりも長射程から相手にハラスして気持ちよくなりたいのでマークスマンを選ぶという小児的発想のプレイヤーが多いという事に他なりません。
④
総括として、
- 序盤からLv6までは可能な限りハラスを受けずHPを高く保ち、逃げスキルの乏しいマークスマンから優先的にフォーカスしていく。
- 敵陣営のガレンとナーは自陣営のヴェインまたはグレイブスにフォーカスしてくると予想出来るので、サモナースペルのイグゾーストは温存する。
- 今回はルルを使用しているので相手のオールインに対してWのポリモーフも同様に温存する。
- 自陣営のフィズがマークからオールインすることを見越して、自分とフィズとの距離をルルRの射程距離内に可能な限り入れるように動く。
ロード画面に入ってARAMが開始し動画の画面が表示されるまでに、これらを整理して念頭に置きゲームを開始しています。
ゲームはおおまかに、
- 開始からLv6(~約3:45)までを序盤
- Lv6から靴を除く4コアが揃う(~約15:00)までを中盤
- これ以降を終盤
と定義しています。
試合前の豆知識
ガーディアンオーブについて
まず「出来るだけ早い時間にゲームを畳まないとどんどん不利になる」ような構成の場合以外で、メイジ(特に短いCDで上がり次第連打するタイプのメイジ系)は絶対にガーディアンオーブを購入してください。
SR高ランクプレイヤーでARAMのガーディアンオーブが購入する必要の無い装備だと言う人が稀に居ますが、試合を早く畳むためにロストチャプター派生アイテムを最速で揃えたいチャンピオン以外ではロストチャプターでは賄えないマナサステインがあるのでガーディアンオーブは有用です。
ロストチャプターで得られるLvUp時のマナの割合回復はロストチャプターが素材アイテムのうちしか効果が無いので実際問題として1コア目が完成してしまうLv6からLv8程度までしか恩恵が無く、最大マナの少ない序盤で20%の割合回復をしても1Lvあたり150から200程度しか回復しないのに対し、ガーディアンオーブは素材にはなりませんが持っている限り永続的に1分あたり120のマナ回復が保障されます。
これは、
- ミニオンがレーンに到着するのが約1分
- ゲーム開始がLv3
- Lv6になるのが約3:45
という性質上、ロストチャプターでのマナ割合回復は
- Lv3→Lv4(約1:15毎に150~200のマナ回復)
- Lv4→Lv5(約1:15毎に150~200のマナ回復)
- Lv5→Lv6(約1:15毎に150~200のマナ回復)
の3回分しか得られない換算になります。
(Lv6時点でキルデスが発生してベースに戻された時点でロストチャプター派生のレジェンダリーアイテムは完成してしまう)
勿論、Lv6の集団戦で死なずに以後もロストチャプターの恩恵を受けるケースはありますが、ロストチャプターが1200ゴールドに対してガーディアンオーブは500ゴールドと価格差もあることから耐えられる前提なら別の選択肢(涙など)も生まれてきます。
クラリティについて
ARAMは適宜死亡して拠点に戻されてアイテムを購入する仕様がある(死亡すると体力もマナも全回復状態で復活する)都合上、仮に全員がマナの枯渇が激しいAPメイジであってもサモナースペルにクラリティを持ってくる必要性は薄く、SRと比較してARAMはマナの自動回復量が常に増加している状態になっているので相対的に割合回復効果の価値が低いです。
ヒールについて
ファイターやマークスマンも(特にこのランク帯だとまともに使える人がほぼ居ないので)サモナースペルにヒールを持つ必要はありません。
マークスマンが持つべきサモナースペルは、
- イグゾーストとフラッシュ
- バリアとフラッシュ
- またはどちらかを削ってマーク
このようになります。
試合序盤
これ以降、自陣営が青字、敵陣営が赤字です。
最序盤に小競り合いが発生しました。
結果的にこのようなHPになりましたが、相手チームのガレンは大きく体力が減ってはいますがパッシブのタフガイで攻撃を受けなければどんどん回復していくサステインがあるので味方チームが軽く借金を背負った形です。
1:59
(以降、動画の時間ではなくゲーム内のタイマー時間)
体力の少ないガレンがマークで飛んできました。
何をしたかったのが意味不明ですが、ARAMではSRと違い「戦闘で突出するとほぼ確実に相手チーム5人からフォーカスされる」ので、そういった意識が無くパッシブでのHP回復も待てない短慮がこのようなプレイをさせてしまうのだと思います。
こちらにはラックスのQでのスネアとルルのWでのポリモーフ(スキル発動不可)があるので突出するとどうなるのかは試合前にわかっていることなのですが…
試合中盤
3:51
アッシュがフィズのRに触れて死亡。
ARAMでアッシュはWを安全件から撃ち続けているだけでセーフプレイが出来るので、ここまでHPが減っていることから試合前の構成の時点で考えていた相手チームの穴マークスマンが誰なのかが浮かび上がってきた感じ。
4:11
ここはフィズがマークで飛んでいきましたが流石にルルのRで反応しきれませんでした。
こちらはヴェインがレイトキャリー(装備が揃う程強くなる)なので、仮にタワー1本を相手に渡しても序中盤無理に戦う必要は無いのです。
4:45
ルルのRの判断が遅れてしまいました。
判断が遅れたというよりも、前述した通り戦う必要が無く仮にガレンを倒したところでミニオンを押し付けられる事は変わらないのでチームにとって利点が薄いから、という理由です。
5:14
集団戦を制してヴェインが1コア完成しました。
相手チームは装備を見る限りフルADということもわかるので、これで防具は物理防御だけ揃えれば良いこともわかります。
5:31
ザヤが即死しました。
このコンボは偶然タイミング良く入った感じ。
5:44
フルHPのトゥイッチがギリギリ生存。
ルルはもうHPも少なくアイテム更新も行いたいのと、今死んでもタワーに被害が出ないタイミングなのでデスします。
6:17
フィズに対してルルのEが距離が遠くギリギリ間に合いませんでした。
8:00
集団戦を制しました。
こちらがほぼ全員がRを使っているのに対して、トゥイッチとガレンはRを使っていません。
相手チームの穴マークスマンにトゥイッチも入っている感じがします。
8:33
人数差があるのに突っ込んできたガレンとそれに釣られたアッシュが返り討ちに。
人数差もある上にガレンとヴェインが交換になったところでさしたる得は無いのですが、シルバー~ゴールドはこういった勢いだけの意味不明プレイが多いランク帯です。
完全に相手チームにゴールドを渡すトロールプレイになっています。
この後、ザヤも意味不明なマークで飛んできます。
9:07
トゥイッチに2キル入りますが、集団戦でRを使わずにフィズ1体倒すのにRしてしまうようなプレイヤーはどれだけ育っても脅威にはなり得ないので相手の他メンバーにアシストが入る前に死亡した形。
プレートスチールキャップ(物理防御靴)を購入。
9:36
ナーも意味不明に突っ込んできました。
どのゲームでもそうですが、自分のチームが負け始めた途端に判断力が落ちるのか適当にプレイし始めるプレイヤーが多いです。
10:19
人数差もありほぼ全員がR発動可能だったので容易に勝負が付きました。
11:12
高確率でナーがタワーダイブしてくることはわかっていたので予めルルのWを用意していて、ギリギリでスタンと相撃ちの形でナーをポリモーフしました。
11:48
ガレンのQでサイレンスを受けたフィズが返り討ちに遭っています。
追いかけたのを見てフィズがガレンを倒してその後タワーでフィズが死亡、という結果を予想していたので驚きました。
12:29
味方チームは全滅しましたが、こういった自分チームのオブジェクトに被害が少ないタイミングで可能な限りサステインの無い相手を削って全滅するのが理想なアイテム更新パターンです。
13:05
立ち位置が前過ぎたアッシュがフィズRとラックスRの直撃を受けて死亡。
13:33
小競り合いが起きますがナーの壁ドン範囲スタンが来るのが予想出来ていたのでまた相撃ち気味でポリモーフが入りました。
13:46
相手チームの降参投票が入りゲーム終了。
試合を振り返って
最終的に34:16という結果になりましたが、相手チームのデスのうち10回近くは意味不明なトロールプレイだったように思います。
キルデスにダブルスコアがあっても金銭的に5000ゴールド差しかついていないので、相手は装備依存度の高いマークスマンが多いとは言え1人あたりは安い素材アイテム1個持っていないくらいの状況と考えると、レンジを活かしたハラスや集団戦での立ち回り次第で中盤以降に試合が覆る可能性はいくらでもありえる構成でした。
しかしながら、相手にはそういったゲームの流れを明確なビジョンを持っているプレイヤーが少なかったので味方のアクションに合わせてフォーカスしたりタイミング図るような動きは終始見られなかったのが敗因だと思います。(そういった協調性があれば最初からマークスマン3人構成にはならないのですが…)
まとめ
試合に勝ったのは味方の動きが良かったというよりも相手の動きが悪かったというのが正直な感想です。
ルルとしてプレイしていて立ち位置やWの判断には相当気を使って(それでも何度もミスしている)いましたが、リプレイを見返してみるとまだまだ出来ることはたくさんあったと考えさせられます。
特に反省するべき点としては1stコアアイテムとしてサステインの無いメンバーが多かったのでリデンプションの回復効果を選択しましたが、相手にはAoE持ちが多かったことなどからも即時性の高いシールドのソラリを選んだ方が有利になる展開が多数あったように感じました。
モンスターハンターもそうですが、こういった不特定多数とゲームをする場合は自分が楽しむことも勿論ですがそれと同じレベルで勝ち負け以前にチームのために如何に最善を尽くせるのか、という部分を考えてプレイすることが必須であると思っています。